RAカフェ参加者からの手紙「フロイトの人生とスフィンクスの謎解き」

RAカフェ参加者(Y.Sさん)からお手紙をいただきました。
面白くて秀逸な内容と思いましたので、掲載させていただきます。

 

フロイトの人生とスフィンクスの謎解き

フロイトの人生について調べるうちに、フロイトとオイディープスの人生には共通の特徴があるように思いました。
以下は僕の個人的な感想です。

① 本当の父親を知らない。
フロイトは、幼い頃に腹違いの兄エマニュエルを父親だと思い、本当の父ヤーコブは祖父だと思っていた。

② 道で人とトラブルになる。
ユダヤ人だった父ヤーコブが若い頃、道でキリスト教徒に絡まれた
キリスト教徒の暴漢に毛皮の帽子を跳ね飛ばされた父ヤーコブは、ただ黙ってその帽子を拾い上げたという。
その時のエピソードを父ヤーコブから聞かされたフロイトは弱い父に幻滅する。

③ 父殺し
オイディープスが知らずに父を殺めたように、フロイトも幻滅という形で父ヤーコブを心の中で否定した。

④ スフィンクス
上半身は女性で、下半身が獣というスフィンクスの姿は、フロイトが治療に当たったヒステリー女性の症状を表している。

⑤ 謎解き
神話での答えは「人間」だが、本当の答えは「男性」ではないか? 夜に三本の足になるとは、「勃起した男性」のこと。
スフィンクスの問題は、性の問題だと解き明かしたことで、スフィンクスという化け物、すなわちヒステリー女性は退治される
オイディープスの名の意味が「膨れ上がった足」というのも、「勃起した男性器」のメタファーでは?
このスフィンクス退治の流れは精神分析そのものであり、そうしてフロイトは、女性のヒステリーの原因は、性の問題だと精神分析することで、生活の糧、名誉、妻を得る。

④ 近親相姦
近親相姦という事実に耐えきれなかったオイディープスが、自らの目つぶしたように、フロイトは、近親相姦や児童虐待について、真実を見ようとはしなかった。

⑤ まとめ
1906年フロイト50歳の誕生祝に弟子たちから贈られた記念メダルに刻まれた文を見て、フロイトが青ざめるという話がありました。
メダルにはスフィンクスに対峙するオイディープスの姿と「名高き謎を解き 大いに権勢を誇りし者」の句が刻まれていました。
フロイトはかつて学生時代に、この句が刻まれた自分の胸像が歴代の教授たちと並ぶ場面を夢想したことがあったので、この偶然の一致にギョッとしたのでしょう。
このエピソードから、フロイトには願望を実現する強い力があると僕は思いました。
その強力さゆえに、自らをオイディープスの神話と一体化させすぎてしまったことで、後半の人生までオイディープスと同一化させてしまったように思えます。
強すぎる憧れ、自分以外の何者かに自分をかさねすぎることは、本当の自分の人生を生きられなくしてしまうのではないかと思いました。

RAカフェ参加者 Y・S