【連載】映画と私たち「結婚、一度してみてもいい」(ふじやまままこ)その17
対談する人
ふじやまままこ
60年代前半に東京で生まれる。広告会社、新聞社、出版社などを経てライターに。斎藤先生とは18歳くらいの時に一度会う。その後30代後半で再会。ウツや発達障害を抱えつつ、なんとなく生きている。
結婚、一度してみてもいい
ここへ来てる人でね、いろいろ話していて、最後に「あなた何がしたいんだ?」って聞いたら「結婚したい」って言うからちょっと驚いた。
「僕は子どもの頃からお姫様が王子様と結婚し、仲良く幸せに暮らしましたという結末で終わるヨーロッパのおとぎ話のシンデレラや白雪姫に憧れてる」。でも自分はそういうのになれない、見合いにも縁がなかった」と彼が言うから、「マッチングを商売にしてる人もいるぐらいだから縁はつくれるじゃないか。結婚したかったのにしなかった後悔があるなら、今からでもしてみれば」と言った。「相手を選ばずですか」って言うから、お互いに年取って、結婚相手についての間口が広がっていて、 相手に対する許容が高くなっている今の年齢同士でとりあえず誰でもいいから暮らしてみれば?結婚云々は、その後来る話。経験してない人は誰と一緒になっても新鮮じゃない。
―新鮮ですよね。相手違っても。
「こんなもんでいいかな」とか思いながら、今まで1人で飯食ってたのが、2人になるから、じゃあ目玉焼きでも作るかとか。
― いいなあ、私も再婚したいです。
今の年齢だと間口が広がってると思うんだよ、
―マッチングサイトみたいのに登録だけはしてみましたけど、年齢、たばこ、仕事してるかとか、身長とかが引っ掛かって、考えすぎて全然進まないんです。
登録してる男たちは、なぜ結婚したいんですかね。
―男性ですか?離婚してる人が多くて、彼女が欲しいってことじゃないかと。
寂しいのかね
―まだ誰にも会ったことないから聞いたことないし、わかんないですけど、私自身はこれからずっと独りで生きてくのは寂しいなあと思います。
届けを出す結婚じゃなくて、一緒に住んでみませんか、っていうのはいいんじゃないの。
―何を基準に相手を選べばいいのかわからなくなります。お金ですかね。
だから自分の家と食うものぐらいは用意してくださいよ。自分の分は自分で稼ぐからと。食う、寝るができればいい。それも相手と自分で2軒あれば月火水と交代とかで行き来できるし。つまり、食と住については現状維持ということ。そして相手の行動には干渉しない。時々あなたが情にほだされて泊まりたい時はそうしても良いが、基本的に自分の住まいには入れないようにする。
―入れないのはなぜですか。
あなたにとっては寂しいのが問題なんだから。その男がいるってことで、一定の距離を保ったお付き合いはできるわけだ。結婚とかなんとか言うと、相続の義務とか、相手の親たちの介護とか色々面倒くさいことが入ってくるから。
相手だってあなたがガールフレンドであるほうが楽しいはずでね。だけどパートナーとは言えるけど妻とは言えない。
-ですよね。だから結婚してくれない人はダメだと思ったんですけど。
今はもうモノガミー(一夫一婦制)の世界じゃなくなってると思うよ。だって今若い人はみんな結婚しないでしょ。 適齢期の人がしないっていうのはつまり、しない方が世の中がうまく回るようになってるからしないんだよ。
単婚化社会だと、今の(岸田内閣)政府のように、夫に育児休暇を取らせようとか的はずれな少子化対策やってるでしょ。みんな目がくらんで、問題がわからないフリをしている。やるべきことはそれじゃない。子産み、子育てに必要なのは夫や結婚というより金ですよ。結婚やそれに準じる事実婚関係がなくても不妊治療ができるように制度改正をすることが第一で、第2ごとに政府から5万円前後の金を出す。当然、それまでにマイナンバー制度を完全化して自治体経由で直接女性の口座に振り込まれるようにすればいい。2人目を産めば5万円が10万円に増えるというようにすれば、少子化は止まりますよ。
―なるほどーそうしないと変われないということですね。韓国なんか出生率もっと低いらしいですね。
東アジア一帯は今ね。グローバルサウスとか言われてる国は伸びるだろうけどね。これは乳児死亡率がまだ5%切ってないんじゃないかと思うんだよ。だから子沢山社会になってて、乳児死亡率が5%切ればね、自然に出生率は下がって、日本はネグリジブルなほど減って、少数民族になって…
―民族が消滅…いつかあるかもしれないですね
明治維新の頃の日本の人口は3500万人。それが今、1億2000万かな、4倍増っていうのは人口バブルです。特に戦争終わった頃は7000万超だから、そこから倍増して1億2000万を超えた。戦争に負けて300万人死んだうえでだよ。一気に婚姻ということに対する価値が上がって、したい人が増えた。それがまた経済を回すのに役立った。ウサギ小屋のような家でもそれを作れば、そこにカーテンだの車だのって必要なものが出てくるから、全体に金回りがよくなった。で、子どもたちはガンガン生まれ、一時は合計特殊出生率が5.0(現在は1.4前後)になった。1940年代後半は狭い国土に溢れる人口という「問題」が解決課題になっていた。で、北朝鮮という「天国」に行った人もいるし、南方アメリカ諸国への移民船も次々に出た。1990年代の初めにバブルが弾けたみたいなこと言われてから、土地の値段は永久に上がるという「土地神話」が崩れると同時に地価と一緒に何もかも値下がるデフレ時代に入って、30年経ったというのが今。それと共に人口バブルは崩壊した。多分あと50年もすれば元の4000万人に戻るでしょ。
-鎖国は…どうですかね。50年でそんななるかなあ。
抑制が利いた高齢者社会になって、目立ちたがりが居なくなって…。みんな木綿着て、裏地が絹だったりして。江戸仕草っていうのかな。なんか裏で目立たないように金を使うみたいな。
―ちょっと粋な感じの
役者にそれから芝居に、芋・かぼちゃ……なんだっけ?江戸の女性の好きなものとされてたやつ。芝居と言っても自分の桟敷に役者を呼んで、挨拶させるんでしょ。
― いも・たこ・南瓜かな。今で言えば韓流のファンミーティングですかね。
そうそう見に来てくれた人に役者は買われて、寝てもらったりして、 中には大奥から来た人がいたりして、これはもう江島生島事件、政治問題になってるしね。ホストに貢ぐのと同じ感じだな。こんなことが大事件になるほど平和だったってことかな。
〈続く〉