【連載】映画と私たち『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』「ネイティブアメリカンの歴史がD.トランプに影響」(ふじやまままこ)その24

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(Killers of the Flower Moon)は、2023年のアメリカ合衆国の犯罪映画、修正主義的西部劇。監督はマーティン・スコセッシ。主演はレオナルド・ディカプリオ。共演はロバート・デ・ニーロ、リリー・グラッドストーン、ジェシー・プレモンス。本作でスコセッシとディカプリオは、長編映画6度目のタッグとなる。
1920年代のオクラホマ州オセージを舞台とし、石油鉱業権を保持し、高い利益を得ていた先住民オセージ族(英語版)が次々と謎の死を遂げる事件を描く。(Wikipediaより)

 

対談する人

ふじやまままこ
60年代前半に東京で生まれる。広告会社、新聞社、出版社などを経てライターに。斎藤先生とは18歳くらいの時に一度会う。その後30代後半で再会。ウツや発達障害を抱えつつ、なんとなく生きている。

 

ネイティブアメリカンの歴史がD.トランプに影響

-トランプの話は70年代以降ですか。20年代からつながっていたとは

トランプはあの事業で大借金を負った。金持ちなんて大嘘で、儲けたことないんだって。

 

-え、今まで一度もですか

全部お父さんからもらったものの尻拭いだから、大統領にでもならないと挽回できない。それはジョン・F・ケネディも同じだってよ。

 

―ケネディ大統領が?

ケネディは脊髄をやられて半病人で、ずっと覚醒剤や麻薬を注射して生きてた人だから、大統領にでもならないとしょうがなかった。
大統領になってからはトランプも儲かっただろうけど。ホントの金持ちならレスラーなんかやんないよ。金持ちっていうのは肩書きっていうか、職業だから。

 

―職業=金持ちですか。『キラーズ~』に戻ると、アーネストはそれほど悪人でもなかったのが、PTSDでおかしくなった?

前回言った通り、感情鈍麻になり、ヘイルの命令通りに動いてた。

 

―自分の行動がどんな結果を生むのかわかってない、てかわかりたくないんですね。妻に毒を盛ってたら死ぬってわかってるけど、命令されると止めることはできない

あなたから映画の話を聞いて、その男(アーネスト)なんか変だなと思って観たから説得力があった。あ、こいつだったらそうだと。ヘイルがゆくゆくは女房を殺すことを半ば知ってる。そうかと言ってセルフデシジョン、つまり自己決定ができない。

 

―あー調子悪い時の自分もそういう感じかも。計画とか決定するのがキツイです。あんな風に疑似家族になるというか、なりたくて悪に手を染めていくって話はよくあります

復員兵だから戦争的な緊張の中から抜けられない。だからどこかでスイートホームのような場所を必要としてるわけで、ヘイルと村がそれを与えてくれたんだろうな。実際に妻も得られて、子どももいたわけだから。
ディカプリオはボーっとした感じが上手かったね。それにオセージ族の女性達が、死ぬ前にフクロウが見えるとか。マーティン・スコセッシ監督はああいうところがすごく映画づくりがうまい。

 

―アーネストの顔の周りにハエが来て、追っ払うシーンが出てきたんですけど、そこでちょっとアーネストの意識が切り替わるみたいな表現もわかりやすかった

彼らは刑期の途中で釈放されたね。アーネストは2年、ヘイルも10年で。釈放後、アーネストは再び強盗事件を起こして、結局 二人ともオクラホマには帰れなかった。

 

―恩赦で釈放されてましたね。しかしアーネスト、強盗してたかあ…

息子のところに身を寄せたけど、その息子は「爆弾おやじ」って呼んでて、爆弾を仕掛けたのは父親だと考えてた。

 

―そんな親父とよく一緒に暮らしましたね

(続く)