【連載】映画と私たち「『私、悪口言うのが嫌いなの!』って言う人」(ふじやまままこ)その3
対談する人
ふじやまままこ
60年代前半に東京で生まれる。広告会社、新聞社、出版社などを経てライターに。斎藤先生とは18歳くらいの時に一度会う。その後30代後半で再会。ウツや発達障害を抱えつつ、なんとなく生きている。
『私、悪口言うのが嫌いなの!』って言う人
―数人で会話をしてる時に「私、悪口言う人って大嫌い!」とか言ってくる人がよくいるんですけど、そういう人って、なぜか人気者ではないんですよね、あれは人にかかわりたくないってことですかね。
大体ねえ、悪口が嫌いなんてふつう言わないよ、どういうきっかけで話が始まるかといえば、悪口。誰かが悪口を言いだしたり、あるいはその周辺の話でしょ。自分は悪口言わないとか、女の人でそういうこと言う人って「私は あんたと友人になりたくない」って意味だよ。だって女性の話題の7~8割は陰口だよ。
―まあ確かに
悪口じゃなくて、批評とか見解ですよ。人物についての見解を語るってのは、女性同士のいちばん大事なコミュニケーション。
―ですよね~。私も自分の言ってることが悪口じゃないと思うことがあって、例えば「彼女ってこういう口ぐせがあるよねとか、こういうとこがあるよね」とか言ってると、「私、悪口嫌い」と言ってくる。なんだろう。
自分の世界観とか、物の見方を喋ろうとすると、悪口って解釈する人がいるわけ。
―そう。でも、そういう人たちって特に人に好かれてるとか人気のある人じゃないっていう。
好かれてるかどうかってあんまり評価としてピンとこないんだけど。
―悪口言わない人って他人に好かれそうじゃないですか。でも人に関心がない?
そうですよ。自分のことにしか関心がないんだよね。うん、そもそも自分は悪口言ってないって思ってること自体、自己観察が足りないんだよ。人ってそういうことで生きてんだろ。人のサイズって50人だと思うよ。
―え、50人って何のサイズですか?
〈つづく〉